物ごとには必ず終わりが…「死神」【なめ子タロット解体新書 vol.9】
独自の視点と斜め上ゆく妄想力で世の中を斬るコラムニスト・辛酸なめ子さんが、タロットカードの制作に挑戦する「なめ子タロットプロジェクト」。独特な感性でカードをデザインするなめ子さんが、タロットから受け取ったインスピレーションとは?
第9回は、大アルカナの13の数字を持つ「死神」についてご紹介。スピリチュアルな世界観を、なめ子さんの手書きのオリジナルタロットとともにご紹介します。
キーワードは「脱力系死神」
物ごとには必ず終わりが来ます。できればあまり苦しまないで終止符を打ちたいです。
「死神」からのインスピレーション
13という不吉な数字が死神のカードに割り当てられているとは……。カードの怖さが倍増します。死神のイメージは、黒っぽいマントをかぶって鎌を持つ、というスタイルが一般的です。昔、知人が交通事故に遭う直前、道端でそのような姿を目撃したといっていました。幸い命はとりとめたようですが……。そういう私も、死神かも? という存在を目撃したことがありました。取材で訪れたホテルでひとりで泊まっていて、夜にふと目を開けたら、グレーっぽいフードをかぶった存在が脇にたたずんでいたのです。顔の部分は影になって見えませんでした。一瞬エミネムにも見えましたが、このフードの感じ、もしかして……と思ってゾッとして目をつぶりました。いい伝えで「死神が病人の頭のところにいれば助かる、足のところにいれば連れて行かれる」と聞いたことがあり、体の横にいたから大丈夫だろうと思いつつ……。ただ何かの終わりを告げるという意味では、その取材の仕事はそれで最終回だったので、死神はわざわざ告げに来てくれたのかもしません。
でも、何かが終わる、手放す、ということは新たな物ごとが始まるので、ネガティブな意味ばかりではありません。この絵のふわふわした姿も以前瞑想中に幻視しましたが、こんな死神だったら恐怖も和らぎそうです。心配しすぎないで終わりを迎えたいです。
なめ子タロットのお導き
今やっていることの終わりを予感しているのかもしれません。その前には一波乱あるかもしれませんが、脱力気味に、無心で状況を見つめていれば、なんとか乗り越えられることでしょう。
AGARUTV(agaru.tv)「集え人間百鬼夜行 あまから秘宝館」にて放送中のタロットカード制作企画。辛酸なめ子の手により描かれるタロットの大半は宇宙人がモチーフ。占い師のまついなつき、SUGARらと共に、普通とは一線を画したタロットカードが生み出されていく。
★【なめ子タロット解体新書】バックナンバー
・第7回/【魔術師】自信を持てば奇跡は現実に……
・第6回/【恋人】恋愛の予感とともに、決断の時が近づいている…
・第5回/【戦車】戦争に勝利して、無敵感に浸る負け知らず
・第4回/【皇帝】恐怖と羨望がないまぜに……
・第3回/【月】言葉にならない不安を叫ぶ
・第2回/【女帝】あらゆる豊かさのヴァイブス漂う
・第1回/【愚者】純粋で恐れ知らずの愚か者
その鋭い観察眼と斜め上ゆく妄想力で、世の女性が好物とする芸能ゴシップ、トレンドファッション、恋愛が織りなす人間模様、ディープな精神世界など幅広く執筆し、同世代の女性を中心に人気を博す漫画家、コラムニスト。
集え人間百鬼夜行 あまから秘宝館
占い師・SUGARとコラムニスト・辛酸なめ子が
"あまから"人生を生き抜くあまからスペシャリストを
当秘宝館に招き入れます。