ホロスコープの「ハウス」とは? 全12ハウスの意味、占い方を解説
西洋占星術では、その人が生まれたときに、太陽系の惑星がホロスコープのどの位置にあるかで運勢を読み解いていきます。ホロスコープを観るうえで大切な要素のひとつが「ハウス」。今回は、ホロスコープの「ハウス」について詳しく解説していきましょう。
ホロスコープとは?
西洋占星術で占いをする際には、ホロスコープを作成します。ホロスコープとは天球図のこと。ある時間に、ある場所から見たときに天のどの方向に惑星があったかを描いたものです。
運勢を読み解くのに用いる惑星は「太陽、月、水星、金星、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星」。これらの惑星がどのサイン(星座)にあるのか、そしてどのハウスに入っているのかで占っていきます。
ハウスって何?
◎占星術のハウスとは
ハウスとは、その人が生まれた瞬間の太陽の位置を基準に、ホロスコープを12個の部屋に分けたものです。ハウスがわかれば、それぞれの天体の特徴が、どんな場所、シーン、方法で発揮されるのかがわかります。
つまり、ハウスを手がかりにすると、より細かくその人の人生を読み解いていくことができるのです。
◎サインとハウスの違い
天体とサイン(星座)からは、その人がどのような性質を持っているのかを見ることができます。ハウスからは、どんな場面でその性質が発動するのかを読み取ることができるのです。
また、サインが天球上の黄道を角度で12等分しているのに対し、ハウスは地球上の観測地点から見て、黄道を太陽が通過する時間に合わせて12分割するもの。そのため、ハウスは占う相手の生まれた時間と場所が正確にわからないと知ることができません。
生まれた時間と場所がわからない場合は、仮に正午に生まれたものとして、仮のハウスで占う場合があります。ただ、これは正確ではないので、ハウスで占うにはやはり生まれた時間と場所の特定が必要です。
ハウスの分割方式
◎ハウス分割の基準
ハウスの分割方式はいくつか種類があります。ハウスの分割で基準となるのは、ASC(アセンダント)とDSC(ディセンダント)です。第1ハウスのカスプ(各ハウスの出発点)がASCとなり、第7ハウスのカスプはDSCとなります。
この2つのカスプは、地平線を意味します。ASCは生まれた瞬間に東の地平線上に太陽や星座が昇る位置で、表すのは人から見た印象、社会に向けて見せている表向きの顔など。DSCは生まれた瞬間に西の空に沈もうとしていた星座で、他者との関係を表します。
◎ハウス分割方法の種類
・イコールハウス……ASCを基軸に30度ずつ分ける
・プラシーダスハウス……時間や場所を加味し緻密に分割していくので、各ハウスの広さにばらつきが出る
・ソーラーサインハウスシステム……ASCを、太陽のある星座(サイン)を0度とする当分法。出生時間がわからない場合に用いることが多い
全12ハウスの意味
では、それぞれのハウスの意味を簡単に解説していきます。
◎第1ハウス
その人本人のハウスです。自分自身の性格や個性、人格や行動パターン、生命力、容姿などを表します。12あるハウスの中でも、一番影響力の強いハウスです。自身の性格や個性を表すハウスなので、第1ハウスに天体が入っている場合は、その惑星の持つ意味がより強くあらわれやすくなります。
◎第2ハウス
お金や生まれ持った素質などを表すハウスです。大きく言えば、自分が所有している財産を意味しています。財産と言うとお金をイメージする人が多いかもしれませんが、持って生まれた資質や価値観も自分の財産として人生に大きく影響してきます。第2ハウスからは、持って生まれた才能を生かしてお金をどう稼ぐか、稼いだお金をどう使うかがわかります。
◎第3ハウス
コミュニケーションや知性、情報を表すハウスです。情報をどのように得るのか、人とどのようにコミュニケーションを取って得た情報を活用するのかを示します。また、どのような場所で知性を発揮できるのかもわかるし、兄弟姉妹や近しい友達など身近な人間関係も表します。自分の今いる環境や、自分を取り巻く人との関わり方などがわかるハウスでもあります。
◎第4ハウス
家、家族、不動産を表すハウスです。生まれ育った環境や生活、家庭などについてわかります。居場所を表すこともあり、住まいなど自分の基盤となる場所、心の安らぎにつながる物事や仲間などにも関わっています。自分の家庭環境についてや、家族や仲間との関わり方を把握できるでしょう。そして、「ここに帰ると元気になれる」という自分のホームとなる場所を作り上げるための手がかりを得られます。
◎第5ハウス
娯楽や恋愛のハウスです。趣味や恋愛、創作など、楽しみや喜びを表現する事柄についてわかります。自分の内側から湧き出てくるものを、外へ向けて表現することを表しています。第5ハウスに天体が入っている場合、その天体を読み解けば、自己表現の方法がわかります。自分の楽しみや喜びの表現の仕方、恋愛傾向、恋愛での愛情表現の仕方のヒントになるでしょう。
◎第6ハウス
労働、奉仕、健康に関わるハウスです。自分の能力を人のために使い、どうやって期待に応えていったらいいのかがわかります。対価として報酬を得る労働とはどんなものか、どんな働き方が合っているのも読み解くことができます。そして、自身の健康について、健康的に過ごすにはどのようにしたらいいのか、そのヒントを得ることができるでしょう。
◎第7ハウス
結婚、パートナーシップ、対人関係に関わるハウスです。どういう場で生涯のパートナーと出会うことができるのか、どのように振る舞えば、結婚へと結びつくのかがわかります。また、対人関係を円滑にさせるためにはどうしたらいいのか、人付き合いの傾向はどうなのかも、読み解くことができるでしょう。
◎第8ハウス
遺産、相続、血縁関係、霊界に関わるハウスです。家族や親戚、ご先祖様、血がつながっていなくても親密で深い人とのつながりや、付き合い方がわかります。また、深い縁のある人から財産を相続する、何かを受け継ぐというキーワードもあります。どこでどのようなものを受け継ぐのかを知るヒントを得られるでしょう。
◎第9ハウス
理想、専門的な学び、海外に関わるハウスです。理想を追い求め、哲学や思想など未知の世界についての果てない学びや専門的な学びを深めていくにはどうしたらいいのか、どこで何を学べばいいのかがわかります。また、海外との関わり方もわかるでしょう。ここに天体がたくさん入っている人は、海外で活躍する可能性があります。
◎第10ハウス
人生の目標、社会的な役割、仕事に関わるハウスです。ここを読み解くことで、社会での自分の居場所はどこなのか、どんな所へ行けば成功し、夢を叶えることができるのかがわかります。社会的な頂点や自分の完成した姿という意味から、人生の目標や天職を読み解くこともできるのです。
◎第11ハウス
同じ志を持つ仲間・ネットワーク・未来に関わるハウスです。1人ではなく、あらゆる個性を持った仲間と一緒に、それぞれの個性を生かしながら活動していくにはどうしたらいいのか、それができる場所はどこなのかがわかります。理想の未来を築くために、今いる場所をどのように改革していったらいいのかのヒントもつかめるでしょう。
◎第12ハウス
潜在意識、スピリチュアルに関するハウスです。現実社会での役割を終えたら、どうなるのか、見えない世界、つまりあの世や来世について考えさせられるでしょう。そして、心の健康もキーワードのひとつです。ここに天体がたくさんある人は、スピリチュアルな世界との関わりを持つ可能性が。第六感、霊感などが強い場合もあります。
(紅たき)