
ビブリオマンシーとは? 書物占いのやり方、おすすめの本を紹介
「ビブリオマンシー」という占いをご存知ですか? あまり聞き慣れない言葉かと思いますが、ビブリオマンシーとは書物のページからメッセージを受け取る“書物占い”のこと。本さえあれば気軽に占うことができるので、1日の始まりや寝る前など日常生活に取り入れている人もいます。この記事では、手軽でシンプルな占い「ビブリオマンシー」について深堀りしていきましょう。
- ビブリオマンシーとは?
- ◎ビブリオマンシーは書物占い
- ◎ビブリオマンシーの歴史
- ビブリオマンシーのやり方
- ◎どんな本を使って占う?
- ◎占いの手順
- ビブリオマンシーを研究している専門家
- ◎ロバート・ブラウニング
- ◎鏡リュウジ
- ◎千田歌秋
- ビブリオマンシーにおすすめの本
- ◎『魔法の杖』
- ◎『青い鳥の本』
- ◎『タロットであの人の気持ちがわかる本』
- ◎『ペンギンうらない』
- 思いがけない言葉に救われるかも
ビブリオマンシーとは?

◎ビブリオマンシーは書物占い
ビブリオは書物、マンシーは占いを指し、日本語に訳すとそのまま「書物占い」という意味になります。書物占いといっても、どんな占いなのか想像しづらいかもしれませんね。一言で説明すると、質問のテーマと使う本を決めて直感でページを開くと、今自分が知りたいことが書かれているという占いです。日本では馴染みのある「おみくじ」に似た占術ともいえるでしょう。
◎ビブリオマンシーの歴史
ビブリオマンシーの歴史は古く、古代ローマ時代には「ソーティーズ(吟唱占い)」という書物を用いた占術が既にあったとのこと。キリスト教徒なら聖書、イスラム教徒であればコーランが一般的に使われたようです。また、中世ヨーロッパではホメロスやベルギリウスの叙事詩なども用いて占いが行われるようになりました。キリスト教では占いが禁じられていたにも関わらず、人々の間でビブリオマンシーが流行。6世紀頃にはキリスト教の教父によって禁止令が出されたこともあったのだそう。
ビブリオマンシーのやり方
◎どんな本を使って占う?
現代は国や宗派に関係なく、聖書や哲学書、詩集、名言集、辞書などを用いて占われている模様です。ビブリオマンシー専用の書物もあり、比較的、答えが得られやすいのでおすすめ。いずれにしても、書物占いは本を選ぶところから始まっているので、直感でピンと来たものを手に取ってみるといいでしょう。
◎占いの手順
ビブリオマンシーに使う本を選んだら、次に占いたい内容を言葉にします。たとえば「〇〇についてどうしたらいい?」「〇〇が知りたいので教えてください」など。聞きたいことが決まった後は、呼吸を整えて心を落ち着けましょう。そして両手で本を挟み、本に語りかけるように聞きたいことを伝えます。心の中で唱えてもいいし、そのまま口に出しても、やり方はあなたがしっくりくる方法でOK。このとき、本に質問内容が伝わりやすいように簡潔にまとめておくと、より適切な答えを得やすいでしょう。
本にあなたの思いが伝わったと感じたら、ゆっくりと本を開きます。直感で「ここだ!」と思ったページを開くのがポイント。偶然、手からすべり落ちたタイミングで開いたり、意図せず自然に開いたりした場合も、本からのメッセージと素直に捉えましょう。最初に目に飛び込んできた文章が、あなたの質問に対する答えです。もし使用した本が長文、もしくは細かい字で記されたものであれば、一旦、目を閉じてペンや指などで本の内容を指します。その先にあなたへの答えが書いてあるはず。
本からのメッセージに対して、自分なりに解釈することも大切です。悩みごととメッセージがどう関係しているのか読み込んでいきましょう。いまひとつ意味がわからなかったり、質問と全く関係のない文章に悩んでしまったりするかもしれません。でも、ヒントとなる可能性があるのでその時点ではピンと来なくても大丈夫。後に「このことだったの!?」と思いがけず回答を得るなんてこともよくあります。ビブリオマンシー占いの答えは実に奥が深いので、自分の思ったとおりの答えが出るとは限らないと心得ておくといいでしょう。
ビブリオマンシーを研究している専門家
ビブリオマンシーという言葉の意味はわかったものの、どんな人が実践しているのか、気になるのでは? ここでは、ビブリオマンシーを研究、或いは実践している専門家についてお話しします。
◎ロバート・ブラウニング(詩人)
イギリスの詩人ロバート・ブラウニングは、年上の女流詩人エリザベス・バレットとの恋の行方を知るためにビブリオマンシーを行ったといいます。図書館を訪れた際、ビブリオマンシーに用いる本を探していたら、本棚から落ちていた本を偶然見つけた彼。そのタイトルが『イタリア語文法』だったので彼は失望します。しかし、開いたページに「我ら今生が如くかの世でも愛し合わば、われ汝を永遠に愛さん」といった一文があり、彼女への愛を確信したそう。その後2人は晴れて夫婦となり、幸せに暮らしたと伝えられています。
◎鏡リュウジ(心理占星術研究家、翻訳家)
ビブリオマンシーは知らなくても、『魔法の杖』を見たことがあるという方は多いのでは? アメリカの占星術家ジョージア・サバスの本を鏡リュウジさんが翻訳した、ビブリオマンシーの専門書です。2002年に刊行してから『魔法の杖』シリーズは100万部突破のベストセラーに。欧米で人気の占術だったビブリオマンシーを日本で初めて紹介したことでも広く知られています。古来からの由緒正しい占いを現代向けにわかりやすく再現しているので、腑に落ちるメッセージや新しい気づきを与えてくれます。あまりの的中率に、魔法の杖を使って仕事を決めている芸能人もいるとか。
◎千田歌秋(占い師兼バーテンダー)
千田歌秋さんは、麻布十番にある占いカフェ&バー燦伍(さんご)のオーナー占い師兼バーテンダー。日本におけるビブリオマンシーの第一人者といわれています。多くの人にその奥深さに触れほしいという想いから、オンラインで体験講座などを開催することも。主にシンボル事典を使って、そのページに示された言葉や図版をシンボルとして読み取る占術で人気を集めています。対面鑑定を希望する人は、あらかじめ予約しておくといいでしょう。
ビブリオマンシーにおすすめの本
前述したとおり、ビブリオマンシーには聖書や哲学書、詩集など、さまざまな本が使われています。以下、書物占いを目的とした本の中でおすすめのものを、いくつかご紹介します。
◎ビブリオマンシーの元祖『魔法の杖』
日本ではビブリオマンシーの元祖ともいえる、あまりにも有名な専門書。発刊当初から「怖いほど当たる」と反響を呼び、今もその人気は衰えていません。YesかNoかで答えられる質問をすると、わかりやすい文章で答えを示してくれます。気軽にビブリオマンシーを楽しみたい人におすすめしたい1冊です。

◎メッセージが心に響く『青い鳥の本』
星占いサイト「筋トレ」や12星座占いの著書を多数出版している、人気ライターの石井ゆかりさんによるビブリオマンシーの本です。見開き1ページごとに1つのメッセージが込められたシンプルなつくりで、喩えを用いたやわらかい表現と、スッと心に落ちる文章が特徴的。ビブリオマンシーはもちろん、詩集としても楽しめます。カラフルでかわいらしい絵にも癒やされるはず。

◎カードのメッセージを翻訳『タロットであの人の気持ちがわかる本』
『タロットであの人の気持ちがわかる本』(真木あかり)
ビブリオマンシーと神秘的なタロットという2つの占いを組み合わせた本です。内容が「あの人の気持ち」に特化しているので、恋愛や人間関係で悩んでいる人におすすめ。天地正しい状態でめくったページの右側に「今のあの人の気持ち」が。そして、天地逆さまにした状態でめくったページの左側に「あなたへのアドバイス」が綴られています。

◎気軽に試せるヒント本『ペンギンうらない』
大人気のキャラクター作家によるビブリオマンシーの書籍です。どのページも短い言葉でシュールにまとめられていて、何度も占いたくなる楽しい1冊に仕上がっています。解釈の幅が広いため、占いで使うというより気軽に試すことができるヒント本として使うのがおすすめ。また、かわいいイラストがたくさん鏤められているので、パラパラと眺めているだけでも、ほっこりします。

思いがけない言葉に救われるかも
本を開くだけで手軽に占いができる「ビブリオマンシー」。解説を読んでいて、少なからず興味が湧いてきたのでは? 人生は選択の連続。選べず、立ち止まってしまったときや、選択した事柄に自信を持てず不安に押しつぶされそうなときは、深呼吸して本をそっと開いてみましょう。思いがけない言葉に救われたり、解決の糸口が見つかったりするかもしれません。ぜひ参考にしてみてくださいね。
(Sa3103)