初心者必見!タロットの種類と選び方、オラクルカードの違いも解説

初心者必見!タロットの種類と選び方、オラクルカードの違いも解説

 タロット占いに興味はあるけれど、「難しそう」「何を選んだらいいかわからない」という方は多いと思います。しかし、基本を押さえれば、初心者でも楽しめるのがタロットです。

 この記事では、基本的なタロットの種類や歴史、自分に合ったタロットを選ぶときのポイントなどをご紹介します。

【目次】

タロットの起源は「トランプ」!?
世界に流通する二大タロット
◎マルセイユ版
◎ウェイト版(ライダー版/ウエイト・スミス版)
◎2つのタロットの違いは…
特殊なタロットの種類
◎トートタロット
◎エジプシャンタロット
◎イーチンタロット
◎ライダー版派生やオラクルカードをベースとしたタロット
オラクルカードとタロットカードの違い
初心者にオススメのタロットは?
◎ウェイト版(ライダー版/ウエイト・スミス版)
◎白猫タロット
◎はじめてのタロット(鏡リュウジ)

タロットの起源は「トランプ」!?

 「タロットカード」が占いに使用するカードだと知っている人は多いと思いますが、もともとは貴族の遊びのためのカードであった「トランプ」が起源だという歴史をご存じでしょうか? タロットはルネサンス期にイタリアで産声を上げたといわれており、印刷技術の発達とともに一般庶民にも広がったカードゲームが原型となります。

 まず初めに簡単にタロットカードの歴史に触れておきましょう。

 上でも述べましたが、タロットカードは15世紀中ごろに北イタリアで貴族たちのゲーム用のカードとして誕生したという説が有力です。その後、カードゲームの流れを組むマルセイユ版のタロットが流行します。

 18世紀には、ヨーロッパにタロットを広く知らしめたフランス人神秘主義者(世界で初めての職業占い師といわれる)エッティラ(エテイヤ)がエテイヤ版タロットを出版。この頃からタロットカードが占いとしての地位を獲得していったようです。

 19世紀に入るとユダヤ教の教えであるカバラの思想と生命の樹とタロットを紐づけるようになります。この頃から秘密結社が数多く誕生し、タロットと密接な関係を持つ“黄金の夜明け団”へとつながっていくのです。

 20世紀に入ると、ウェイト版(ライダー版/ウエイト・スミス版)タロットデッキを創ったアーサー・エドワード・ウェイトや、トート版タロットデッキを監修したアレイスター・クロウリーといったタロット界の重鎮が登場。彼らの功績によってタロットカードは爆発的に世界中へと広がり、現代ではオリジナルのタロットカードも数多く出版されています。

世界に流通する二大タロット

 まず初めにタロットカードの構成を説明しておきます。タロットカードは22枚の大アルカナ※1 と56枚の小アルカナから成り、総数78枚で構成されます。

 小アルカナにはスートと呼ばれる4種類の分類があり、ワンド(棒)、カップ(聖杯)、ソード(剣)、ペンタクル(硬貨)に分けられ、各スートは1番から10番までの数札と人物が描かれたコートカード※2 から成り立っています。コートカードに描かれているのは、キング、クイーン、ナイト、ペイジの4人。この構成は以下で述べる2種類のカードデッキに共通しています。

※1 アルカナとは、ラテン語で秘密や秘儀という意味
※2 コートとは、宮廷をあらわす英語

◎マルセイユ版


 タロットカードは、もともとは富裕層がお抱えの画家に1つ1つ絵を描かせ制作したとても高価な遊戯用のカード。美しい絵柄や装飾が施されているものも多いのが特徴です。18世紀のフランス革命の頃、印刷技術の発達により、フランスのマルセイユ地方で大量生産されました。後にそれらはマルセイユ版のタロットカードと呼ばれるようになり一般庶民にも広まっていきます。

 昔ながらのマルセイユ版のカードは、背面が白色で統一されており、とてもカラフルな色使いで作られているのが特徴です。当時は木版印刷だったために、デザインも木版画らしい独特な印象があるものが多いです。代表的なカードである「カモワンタロット」もマルセイユ版の一種です。フランスが発祥であるのが一目でわかる色彩やデザインセンスがあり鑑賞用やコレクションとしても人気のあるカードデッキです。

 大アルカナだけを使用したり、インスピレーションをより自由に使ってリーディングをしたりしたい方にはオススメのデッキです。「目線読み」などというマルセイユ版独自のリーディングスタイルは興味深いところです。

◎ウェイト版(ライダー版/ウエイト・スミス版)


 アーサー・エドワード・ウェイトが画家であるパメラ・コールマン・スミスに挿絵を依頼し制作。1908年にロンドンのライダー社で発売されたので、ライダー版またはウェイト版タロットカードと呼ばれています。

 マルセイユ版では小アルカナには挿絵がなかったのに対し、78枚すべてのカードに挿絵を施すという画期的な発想で、より多くの人に支持されるデッキとなりました。日本でもタロットカードと言えば、“運命の輪”、“死神”、“悪魔”など、このカードの絵柄を思い浮かべる人が多いことでしょう。小アルカナすべてに絵柄が施されているので、絵を見て読めるという利点も多いカードです。

 現在、日本国内では書籍の大半もこのウェイト版になっているので、初心者が独学で習得するのにオススメです。またウェイト版をベースにした、猫や鳥などのモチーフを使ったかわいらしいタロットも数多く出版されているので、汎用性も高いでしょう。

◎2つのタロットの違いは…

 この2つのデッキは大アルカナの絵柄に違いはありますが、類似している部分も数多くあります。しかし、「力」と「正義」のカードの順番が異なっています。ウェイト版では、数秘術に対応させるためマルセイユ版で11番であった「力」のカードを8番の「正義」のカードと入れ替えています。

 また、決定的な違いは小アルカナ(数札)です。ウェイト版には画家のパメラが挿絵を施しているので、絵を見た際の直感でカードを解釈することもできます。一方、マルセイユ版は、スートと呼ばれるワンド、カップ、ソード、ペンタクルの4つのモチーフが描かれているだけ。ですから記号のような印象を受け、リーディングが難しいと感じる人もいるでしょう。そういった点でも初心者にはウェイト版のほうがオススメです。

特殊なタロットの種類

◎トートタロット


 トートタロットは、イギリス生まれのオカルティスト(神秘学者、魔術家)であるアレイスター・クロウリーによって考案され、芸術家のフリーダ・ハリスによって描かれたタロットカードです。

 アレイスター・クロウリーは、その独特な世界観から、「世界でもっとも邪悪な男」と評された人物で、カードの絵柄にもどことなく魔術的は印象があります。カードの意味やカードの名称※3 もマルセイユ版、ウェイト版とは大きく異なります。また、各カードに地水火風のエレメントが割り振られているのも特徴的です。
 魔術や宇宙、神秘学などが好きな方にはオススメです。

※3 トートタロットの場合、以下のようにカードの名称が異なっています。
『正義』 JUSTICE → 『調整』 Adjustment
『力』 STRENGTH → 『欲望』 Lust
『世界』 THE WORLD → 『宇宙』 The Universe
そのほかペンタクルがディスク、コートカードもナイト・クイーン・プリンス・プリンセスとなっています。

◎エジプシャンタロット


 その名の通り、古代エジプトをモチーフにしたマルセイユ版をベースとして制作されたタロットカード。パピルスに描かれたテンペラ画のようなテイストが特徴です。エジプト神話やエジプト美術の神秘的なモチーフが数多く登場するので、古代エジプト思想やエジプトの神々に関心がある人にはオススメのデッキです。マルセイユ版を使いこなせるようになってから購入する方がベターかもしれません。

◎イーチンタロット


 東洋占術の易をベースに作られたタロットカード。易カードや易(易占)タロットとも呼ばれ、東洋の占術をベースとする占い師に支持されているデッキです。易のベースとなる六十四卦をタロット風のわかりやすい絵柄で表現したインスピレーションの湧きやすいカード。伝統的な西洋のタロットカードとは大きく異なるので購入時は注意が必要になります。

◎ライダー版派生やオラクルカードをベースとしたタロット

 現代ではライダー版をベースにした数多くのカードが出版されています。癒やし系のかわいらしい鳥をモチーフにした「鳥タロット」や猫好きにオススメの「キャッツアイタロット」「キャットグルカード」などがあります。パステル調のカラフルなテイストと神秘的なイメージの「クリスタル・ユニコーン・タロット」なども人気です。タロット正規品輸入代理店であるニチユーや、タロットカードの出版元であるヴィジョナリー・カンパニーから購入可能です。

オラクルカードとタロットカードの違い

 オラクルカードのオラクルとは「神託」という意味です。タロットカードと似ているので勘違いしてしまう人も多いので注意が必要になります。タロットカードのようにスプレッド展開をすることもできますが、1枚引きでメッセージやアドバイスを受けるような使い方が一般的です。自己啓発的要素や心理学をベースにしたカードが多いのも特徴です。

 オラクルカードにはタロットカードのように枚数の制限や規定はありません。カード作家の意向を反映して枚数は決められていますが、40枚~50枚くらいのものが多い印象です。

 基本的にはカードごとに解説書が付属され、それぞれのオリジナルの意味が付帯されていますが、カードから受ける直感やインスピレーションを重視し占いを行うカードです。タロットカードのように正位置・逆位置を取らないものも多くあります。

 一方、オラクルカードをベースとした「エンジェルタロットカード」「サイキックタロットカード」「グッドタロットオラクルカード」などウェイト版をベースにオリジナルの解釈を付け加え制作されたカードもあります。タロットカードのネガティブな解釈を排除したカードも多いので、あたたかいやさしい暗示が受けられるのが特徴です。タロットカードの絵柄がちょっと怖いという人や天使や神様が大好きという方にはオススメです。日本ではライトワークス社などが販売をしています。

初心者にオススメのタロットは?

◎ウェイト版(ライダー版/ウエイト・スミス版)


 全世界で一番メジャーなタロットカードと言っても過言ではないかもしれません。日本国内で販売されているタロット関連の書籍でもナンバーワンです。初心者が、まずはじめてみようというときに手に取るといいカードデッキです。カードに慣れてきたら、好みのモチーフのデッキに移行することもできます。詳しい解説書がセットになった「ライダータロットセット スタンダード」などもオススメです。

◎白猫タロット


 別名ホワイトキャッツ タロット。お笑いコンビ「よゐこ」濱口優の実弟・濱口善幸氏が監修を手がけた占いアプリでも有名になった、タロットカードの登場人物が白猫に変身した猫尽くしのカード。背面のデザインにも白猫が施された愛らしいデッキです。愛猫家にはたまらないカードかもしれません。

◎はじめてのタロット


 占星術研究家・翻訳家でもある鏡リュウジ氏が手がけた大アルカナ22枚に絞った初心者向けのタロットカード付きのガイドブック。たくさんの占いの本の執筆に携わる著者の知識と経験が詰まった解説書があるので、まずは大アルカナからはじめてみようという初心者にオススメの一冊です。「ほんわかしていて癒やし系」と人気の絵柄は、絵本作家の荒井良二さんによるもの。ぜひ、1枚1枚手に取って楽しんでみてください。

まとめ・自分にぴったりのカードを見つけて!

 実は長い歴史を持つタロットカード。さまざまな種類の中から自分に合ったカードを見つけるのは大変なことですが、少しでもタロット占いに興味があるなら、本記事を参考にしてみてくださいね。タロットの種類を知って自分のペストパートナーを選べるようになれば、占いをもっと深く知り楽しめるようになるはずです!

(真龍人)

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