「傷と痛み」「癒やし」のパワーを持つ、小惑星・キロン あなたのホロスコープのどこにある?

 新しい惑星は、その惑星が持つパワーを人類が理解し必要とするときに姿をあらわすという説があります。たとえば、革命の星・天王星はフランス革命や産業革命が起こった時代に、幻想の星・海王星はロマン主義が蔓延した時代にそれぞれ発見されました。

 1977年、心の問題が大きく取り上げられる時代に姿をあらわしたのが、今回紹介する小惑星「キロン」です。

「キロン」の神話と「癒やし」のパワー

【キロンのデータ】
発見日:1977年11月1日
記号:精神性をあらわす円の上に、キロンのKが描かれている。
公転周期:約50年
軌道:土星と天王星の間をいびつな軌道を描いて回っている。
キーワード:魂の傷、癒やし、治癒、異端者、矛盾、ジレンマ、統合

 キロンという名は、ギリシア神話に登場する神カイロン(ケイローン)に由来します。半人半馬のケンタウロス族の一員であったカイロンは、文武両道に秀でた賢者であり、特に人を癒やす医学の腕は飛び抜けて優秀でした。多くの人から慕われていましたが、あるとき毒矢を受けて大変な深手を負ってしまいます。耐えがたい痛みにもがき苦しむカイロン。しかし、自分の傷だけは癒やすことができず、ついには不死の命を捨てて、永遠の安らぎを得ることを選ぶのです……。

 この神話は、小惑星「キロン」のパワーである「傷と癒やし」をまさに象徴しています。

「キロン」は宇宙の英知を個人の領域に運び込む

 キロンの軌道は、土星と天王星の間にあります。占星術では太陽から土星までを個人の発達にかかわる「パーソナル天体」、天王星以降を社会全体や宇宙意識にかかわる「トランスサタニアン」と呼びあらわして区別しますが、ちょうどその中間に位置するキロンは、宇宙の英知を個人の領域に持ち込むメッセンジャー的役割を果たしているともいえます。そして、この宇宙の英知は今人類が必要としている心の癒やしとも密接に関わってくるのです。

50年に一度の「キロン」リターン

 キロンの公転周期は約50年。つまり、誰でも50才前後になるとキロンがリターン(生まれたときに位置していた場所に惑星が帰ってくること)します。このタイミングで自分の心に向き合い、傷や痛みを認識して統合化を図ることで、深い癒やしと再生する力が与えられるといわれています。しかし、統合化に失敗した場合は、痛みを引きずったまま残りの人生を歩むことにも……。今からキロンリターンに備えて、自分自身と向き合う覚悟をしておくとよさそうです。

 あなたのホロスコープには、どこにキロンがあるでしょうか? そこはあなたが受ける「致命的なまでの「傷」、そしてその傷を乗り越えるための「癒やし」が起こる場所を示唆しているのです。

 キロンは発見されてから日が浅く、認知度はまだまだのようです。しかし、傷と癒やし、心の問題を司るキロンの重要性は今後さらに高まっていくでしょう。次回は、「キロンと星座宮」をテーマにお送りします。
(月星七海)

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