頭で考えず身体で感じることが大切 心理研究家・御瀧政子が教える瞑想のポイント

頭で考えず身体で感じることが大切 心理研究家・御瀧政子が教える瞑想のポイント

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 ここ数年は空前の瞑想ブーム。セルフケアに瞑想を取り入れる人が増えています。瞑想講座を行っている一般社団法人「COCORO協会」代表理事、心理研究家の御瀧政子先生に初心者でもできる瞑想のコツをうかがいました。

――瞑想と聞くと、目をつぶって自分と向き合うといったイメージですが、そもそも瞑想とは何をすることなのでしょうか?

御瀧政子さん(以下、御瀧) 瞑想は、心にたまったゴミを捨ててあげることです。あなたの心がザルだとイメージしてください。人から言われた言葉や嫌な出来事、つまりストレスは、毎日少しずつそのザルにたまっていきます。それをそのままにしていると、ストレスはどんどん蓄積されていき、身体も心も重くなってしまいます。瞑想を行うことで、ザルにたまったゴミを流し、全部捨ててリセットできるのです。歯磨きと同じく、一日の汚れを取ってあげる自然な習慣なんですね。ストレスが多いからと、瞑想を始める人も多いですよ。

――書店にはさまざまな「瞑想」書籍が並んでいますが、実際に本を読んで試したけれど、正解がわからなくて挫折してしまった人が多いのも事実です。

御瀧 おっしゃる通り、瞑想はヨガのポーズのように目で見てわかるものではありません。「これでいいのだろうか?」と、不安を抱きながら実践している人が少なくないでしょう。

――そうなんです。「無になろう」としても、考えごとが次から次へ湧いてきて頭が休まりませんし、眠くなってしまうことも……。

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御瀧 人間ですから、考えてしまうのは当たり前。私も瞑想を始めると夕食のことや仕事のアイデアが浮かんできて、思わずメモを取りたくなることがよくあります(笑)。それでも、この時間だけは頭を休ませると決めてください。そのためには、思い浮かんだことはすべて「流す」! 浮かんでくることは止められないので、そこにフォーカスしないで、次々と流していくんです。そのうちに、ふと、何もない心地いい瞬間をとらえることができます。その無の時間がだんだん長くなってくる。それこそが瞑想なのです。

――浮かんだことを深く考えずに、流していけばいいんですね。

御瀧 そうです。それに、瞑想中に眠くなったら、寝てしまっていいんですよ。私が開催している瞑想クラスでも、毎回6人中2人は瞑想するのをやめて寝ています。むしろ、うたた寝状態で続けると、脳だけ覚醒して逆に疲れてしまうのでよくないんです。そんなときは、「また最後までできなかった……」と罪悪感を持つ前に、寝ることを自分に許してあげてください。「○○しなければならない」という気持ちがあると、リラックスできません。

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御滝先生の瞑想クラス

――なるほど。気持ちがラクになりました! では実際に瞑想はどうやって行えばいいのでしょうか?

御瀧 身体を締め付けないようなゆったりした服装で、お尻の後ろの方に座布団を2枚ほど挟んであぐらをかき、手のひらは上向きにします。ベッドや部屋の床でも、椅子に座ったままでもかまいません。ポイントは呼吸です。3・3・7のリズム、3秒間息を吸い、3秒間呼吸を止め7秒間息を吐いていきます。心のザルにたまったゴミを捨てるイメージで、吐く呼吸を長めに行いましょう。

――呼吸法でゴミを出して、キレイな気を取り込むんですね。

御瀧 そうですね。満月の夜、月の光を浴びながら行うと月のパワーを取り込むことができますし、朝、太陽の光を浴びながら行うのもいいですよ。毎日瞑想を行うことが理想ですが、最初は週2~3回、10分からチャレンジして、慣れてきたら毎日30分行うといいでしょう。また、瞑想中、どうしても考えことをしてしまう人は、リラックスできるBGMをかけて、瞑想へ誘導するのもオススメです。私の講座でもオリジナルで作ったCDを流しているのですが、リラックスしてすっと瞑想に入れると、初心者の生徒さんにも評判です。

――瞑想をしようと思えば思うほど、頭で考えてしまっていたのですが、まずはリラックスすることが大切なんですね。

御瀧 そうですね。瞑想をする上で大切なのは、誰もがもともと持っていた感覚を取り戻し、身体で感じることなのです。だから、知識や頭で考えてできるのもではなく、体感してはじめて「こういうものか!」とわかるものなんですよ。でも、その感覚を一度体験すると、瞑想の楽しさがわかるはずです。始めのうちは、つまらないと思うかもしれません。それでも繰り返すうちに心地よさを感じるポイントを見つけられるはずです。一度コツをつかんでしまえば、あとはすっと瞑想状態に入ることができますよ。もちろん瞑想だけですべてが解決するわけではありません。運動、ボディケア、添加物の少ない食事など、身体にもゴミをためない生活習慣を心がけたいですね。

 大型連休明けの5月から梅雨に入る6月は、ストレスを抱えやすく、気持ちを落ちやすくなる時期。瞑想を通して、リフレッシュしてみてはいかがでしょうか?
(取材・文/松子)

★御瀧政子(みたき・まさこ)
心理研究家。作家。中国中央民族大学、カナダPacific Language Instituteなど、海外40数カ国へ留学または長期滞在を経験し、独自の視点から心理学、血液型分類、各占術、統計学等について研究を始める。現在は主に「心」「精神のゆとり」「恋愛」といった“人間の心理面”をテーマにした内容を中心に70冊以上を執筆。多くの著書やTV出演、講演、セミナー実績を持ち、多方面での活動を展開中。
★一般社団法人「COCORO協会」とは?
心理研究家・御瀧政子が主宰。瞑想を通じて自分を知り、自分の精神性を高め、人の役に立つことを目的としている。瞑想講座では、アンケートを基にオーダーメイドでその人に必要なメニューを組み立てて行い、水晶のペンデュラムを使ったワーク、御瀧先生によるセッションも。心地よい音楽と誘導する声が入ったCDは、初心者でもスムーズに瞑想状態に入れると人気のアイテム。
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