あなただけの「書」で占いをカタチにする 異色の路上占い師・手相詩人 心之介。

あなただけの「書」で占いをカタチにする 異色の路上占い師・手相詩人 心之介。

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手相詩人 心之介。さんです!

 路上占いからスタートし、7年間で3万人以上を鑑定してきた手相詩人 心之介。さん。占いの最後に、筆で色紙に書をしたため、それをお客さんにプレゼントするというユニークな鑑定スタイルで話題を呼んでいます。元芸人、書家としても活動する心之介。さんに、占い師になったきっかけから独自の鑑定スタイルまで、お話をお伺いしました。

占い師として成長できたのは、路上のお客さんのおかげ

――元芸人さんだそうですが、なぜ占い師になろうと思ったのですか?

心之介。さん(以下、心之介。) 僕の口癖は、「人生を人に決められてたまるか!」。そのため、占いは信じていなかったんです。でも、芸人をやっていた学生時代、先輩の芸人さんに占ってもらう機会があって、「こんなに当たるものなのか!?」と衝撃を受けました。

 卒業後、会社に就職したものの、人のためになることをしたいと思い、占い師になろうと決めたんです。しかし、占い業界のセオリーなんてまったく知りません。占いといえば手相、路上によくいるというイメージだけで、いきなり路上占い師をはじめたんです。路上なんで、酔っ払いや怖い人に絡まれ、言えないような恐ろしい経験もしましたね……。その分、路上でしか出会えないような方の手相を見ることができ、鑑定経験とデータは着々と集まっていきました。占い師としての僕は路上で育てられたと言っても過言ではありません。今は路上鑑定メインではありませんが、さまざまなタイプの人と出会える路上占いが好きなので、たまに出没しています(笑)。

――現在は手相のほかに、姓名判断、気学などさまざまな占術を取り入れたオリジナルの鑑定が人気ですね。

心之介。 僕は小さい頃から数字や計算が大得意だったので、名前の画数が重要な姓名判断と出会ったときは、これだ! と思いましたね。そのほかにも、天中殺、ホロスコープなどは短時間でも多くの情報を引き出せますし、その人の資質+2つのバイオリズムで多角的に見られるので、占いの精度が高まります。

――心之介。さんの鑑定は、最後に色紙をお渡しすることがポイントだと思うのですが、なぜ鑑定の最後に色紙を書くことにしたのですか?

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元芸人さんだけあって、話に引き込まれます

心之介。 お客さんって、鑑定中に言われて嫌だったことは鮮明に覚えているのに、それ以外のことって、いいことも含めてなぜか忘れてしまうんですよ(笑)。それは占い師としてはちょっとせつない。占い師のアドバイスを形に残したいなっと思って、鑑定を総括するような言葉を色紙に書いて渡すことを考えたんです。相談者はお守り的に持ち続けられるし、鑑定内容を思い出してもらうことができます。また、筆文字には印刷された文字よりもエネルギーが宿っているんですよ。書かれた言葉そのものだけでなく、パワーも感じてもらえるはずです。

――占いの結果を受けて書かれた、自分のためのオンリーワンの言葉と色紙。これはうれしいですね。

心之介。 ありがとうございます! 僕の占いは「人の可能性を引き出す」ことがモットー。「あなたはこんなタイプですね」で終わらずに、「だから、こっちの世界だともっと輝けるよ」と提案することを心がけています。「悩みの解決」とは少し違うかもしれませんが、相談を受けた人がハッピーな気分になれば、世の中ももっと豊かになると思うんですよね。

鑑定を受けたからこそ心に響く、書の言葉

 「僕の鑑定には、これまで見てきた3万人のお客さんの経験が活きているんです。その人たちの気持ちを載せて目の前のお客さんへつないでいくことが、育ててもらったことへの恩返し」と、語る心之介。さん。インタビュー後、筆者も実際に鑑定してもらいました。

 鑑定シートに書かれた新姓と旧姓、生年月日などのデータから、スラスラと性格や性質を解説していきます、関西弁で親しみやすい雰囲気ながら、ハッキリと伝える話術に思わず引き込まれます。元芸人さんゆえのトーク力ももちろんですが、路上で培った鑑定経験が土台になっているのでしょう。占い師というより“占いの得意な友達”に相談しているような気軽さと受け入れやすさがありました。

 そして、気になるのは色紙に書かれるメッセージ。ひと通り鑑定を終えると、筆ペンと色紙を取り出してしばし考え込む心之介。さん。先ほどまでの楽しげな雰囲気とは一転、何かを降ろすような、アーティストが作品に取り掛かる前の張り詰めた空気が漂い、シンと静かな時間が訪れました。

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その人だけのメッセージ。味のある字は心に響きます

 色紙に書かれたメッセージは、「日々新たな自分に」。短い言葉だからこそ、すとんと心に落ちる感覚がありました。習慣化してしまった考え方の癖を自分で直すのは難しいもの。色紙を目につく場所に置いておくと文字が目に飛び込み、常に意識の深いところへアプローチしてくれます。鑑定後は、ふとした瞬間にメッセージを思い返し、これまでなら守りに入っていたところを挑戦してみるなど、日々の選択に反映されています。

 自分のためだけに言葉を考え、形にしてくれる体験は、自己肯定感を高め、単なる鑑定の総括という以上の価値を感じます。占いで元気になりたい、励ましてほしいという人にオススメです。鑑定中は和気あいあいとしたやりとりで和ませ、鑑定後は色紙からじわじわと心に響く。長時間楽しめる、スルメのような心之介。さんの占いでした。
(取材・文/松子)

★手相詩人 心之介。(てそうしじん しんのすけ)
美術、書道、お笑い、音楽など多様な経験を経て養った感性から、現在占い師として活動。鑑定後にその場で書道パフォーマンスにより即興詩を綴る「手相詩」を開発。2010年7月活動開始。日本で唯一無二の「手相詩人」として東京を拠点に日本全国、韓国、台湾、東南アジアで活動中。現在では珍しい路上出身の占い師であり、活動開始からこれまでに3万人以上の鑑定を行っている。占い師としては異例のペース。旧来の型にはまらないスタイルで今後も世界規模で活動を広げていく予定。
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