
SUGARが贈る、12星座2018年上半期の物語 運命を象徴する1冊は何?
牡牛座……『こころ』(夏目漱石/新潮文庫他/1914年)
教科書にも載っている、言わずと知れた名作文学ですが、その怜悧な切れ味は抜群であり、とりかえしのつかないものとなった自らの運命と、そこにぽつんと浮かんでくる孤独とをこれほど見事に描いた小説は、ほかに存在しないかもしれません。
そして、この小説の手触りと、2018年前半の牡牛座は、どこか似ています。自分の中の不合理で、自然発生的で、カオス的な側面が次第に露わになっていくでしょうし、その結果として大いに間違いを犯したり、取り返しのつかない事態に陥ることもあるでしょう。
それは自分がかわいくて、他人のことなんて考えられないから。でも、あなたはきっと間違ったままでいいし、取り返しなんかつかなくてもいいのだと思います。それらが呪いとなって、心に突き刺さったまま、運命を漂う「孤舟」となって流れていけばいいのです。
(SUGAR)