
SUGARが贈る、12星座2018年上半期の物語 運命を象徴する1冊は何?
魚座……『時間の比較社会学』(真木悠介/岩波書店/1981年)
「どうせ死ぬんだし」と私たちが感じるときに想定している、直線的な「時間」モデル。それが実は「つくられた」ものであり、そうじゃない時間感覚というものも存在するんだということを書いたこの本では、近代的な時間感覚が相対化され、別の時間感覚へ結びつくとき、「豊かさ」の定義もまた変わり得るという点について、次のように述べています。
「われわれが、現時充足的な時の充実を生きているときをふりかえってみると、それは必ず、具体的な他者や自然との交響のなかで、絶対化された「自我」の牢獄が溶解しているときだ」
過去をつぎつぎと虚無化していくような時間を生きるのではなく、生存することがそれ自体充足している時間を生きること。それは「持続的な豊かさとは何か」という2018年前半の魚座のテーマにも大いに通底してくるでしょう。
(SUGAR)