
SUGARが贈る、12星座2018年上半期の物語 運命を象徴する1冊は何?
射手座……『存在の耐えられない軽さ』(ミラン・クンデラ/集英社文庫/1984年)
この小説に出てくるカメラマンで妻のテレザは、一途で、主人公のトマーシュに「あなたじゃないとだめなの」と言う。逆に画家で愛人のサビナは、奔放で自由で「あなたじゃないとだめ」なんて決して言わない。
この2人の女性との関係の在り方の対比は、誰しもがもつ葛藤であり、特に2018年前半の射手座にとって、とても生々しく迫ってくるものとなるはず。
人間は永遠に満たされない、なぜなら幸福にさえ飽きてしまうから。けれど、誰かに飽きたり不満を持ったり、あるいは深刻な葛藤を抱えたりしながらも、人生の最期には誰かにとっての「かけがえのない存在」になるのも悪くないよと、きっと著者なら笑うでしょう。軽さとか、重さとか、なんだかんだ言いつつも、誰かと面倒ながらも関わって恋愛していくこと。その悲しみと幸福をしかと味わっていきましょう。
(SUGAR)